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人生のサプリメント【紅玉版】 ─ 蔵書より、今日のワンフレーズ
   
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2016年04月25日

老年から生命を奪うのは成熟だ



禅、「あるがまま」に生きる―迷いを解決する「一文字の知恵」」(西村惠信/三笠書房)より


『青年から生命を奪うのは暴力だが、

 老年から生命を奪うのは

 成熟なんだね。』(p105)




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 仏教の四苦といえば、生・老・病・死の四つ。

 つまり、老いを苦しみとして捉える人――

 裏を返せば、若さに執着し続ける人が、

 それほどに多いということでもあります。



 注目すべきなのは、この「若さ」が、

 ほとんどが肉体的・外面的なもの、ということ。



 内面的・精神的な若さを顧みようとしないのなら、

 なるほど確かに、老いイコール苦しみとして、

 いつまでも苛まれ続けるのは至極当然です。

『キケロが書いたという...「老年の豊かさについて」です。彼はまず老人が惨めに見える理由として、一、あらゆる職から引退しなくてはならないこと。二、身体が弱ること。三、快楽がほとんどすべて奪われること。四、死が遠くないこと、の四つを挙げて、それらに一々反論しているのです。...
声の張りはどうしてか分からないが、老年になってからでも増し加わるのだ...老人の落ち着いた穏やかな弁論は、よく聴衆をひきつけるのであり」、「それが青年たちを教え、導き、どんな義務でも果たせるように育てるのだ」...
「...満ち足りて飽きてしまえば、あるよりないほうが有り難いのだ」。「毎日多くのことを学び加えながら年をとっていくという、こういう心の快楽よりも大きな快楽はあり得ない」』(p104-105)


 この四番目を除いた理由によって、

 本当に惨めに見えるのだとしたら。

 それは先の「内なる若さと成熟」を放棄したケース、

 と言ってもあながち的外れではないでしょう。



 そして、残る四番目についても、こうあります。

「老年には死が近いということについて」は、あまりにも素晴らしいので本文をそのまま写しておきましょう。
「例えてみれば、青い果実を木からもぎとるのには力が要るが、よく熟していればひとりでに落ちるようなもので、青年から生命を奪うのは暴力だが、老年から生命を奪うのは成熟なんだね。成熟して死ぬのは私にはとても望ましいことなんだ。だから死が近づくにつれて、ちょうど長い航海がすみ、陸地が見えてきて、ついに港に入ろうとしているような気分になるんだよ」』(p105)


 人生を大海原にたとえた、

 なんとも風情ある著述ではありませんか。



 航海を終え、陸地に上がり、

 冒険譚を肴に酒場で祝杯を上げる。

 そんな“あの世観”も洒落たものですし、

 これは同時に、成熟してこそ磨かれる、

 心の若々しさに基づく表現です。



 はたしてこれでも、年を取ることが惨めで、

 豊かさに反することだと言えるでしょうか?




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禅、「あるがまま」に生きる―迷いを解決する「一文字の知恵」 (知的生きかた文庫)

西村惠信 三笠書房 2009-11-20
by ヨメレバ
posted by せらつか at 06:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 今日のフレーズ